シンビジウム属の一種で、春蘭が一茎一花で咲くのに対して寒蘭は一茎多花(一つの花茎に何輪かの花が付く)で咲き、そこで大別されます。
産地としては、九州南部から西部にかけて、四国、紀州、あるいは中国台湾といった様な産地が主となっています。

寒蘭は、春蘭が春に花が咲くのに対して秋に咲く蘭で、春蘭はほとんど香りがしませんが、寒蘭は香りが良く、その点でも春蘭と異なるところです(中国春蘭は香りがあります)。

それから葉も春蘭より大きく、葉の周りには春蘭の様にギザがなく、花の形、姿も違いますが清楚で貴賓高く、東洋人の気質に調和する蘭として昔から日本人に愛されております。

寒蘭も春蘭と同様で、花色、花の形、花の大きさ、舌の形、柄といった様なところを重要視されます。秋に咲いた寒蘭を玄関や床の間に飾れば、何とも言えないさわやな香りが漂い、私達の心を間違いなく安らげてくれることでしょう。